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2021(令和3)年度京都大学法科大学院入試 再現答案④商法

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京大ロー入試商法の再現答案構成を作成しました。今後受験される方の参考になればと思います。また、得点開示がされれば得点についても可能な限り公開しようと思っています。

なお、答案構成は試験場で実際に答案構成用紙に書いたものではありません。以下の答案構成はむしろ「書いた答案の要約・レジュメ版」のようなものとなっています。また、再現は試験当日に作成したものに1か月半くらいたった後加筆修正したものです。この点ご留意ください。

()部はそのときの感情を、※以下は間違っている部分を、そして{}は※以下の間違いを正したものです。また、…の論点を書いた、という場合は、文頭に〇印をつけています。

 

第1問

小問1

原則、PQの契約が成立しているのだからQは履行義務を負う。

もっとも取締役会決議は2人の者に招集通知発されていない

〇取締役会の手続き違反と取締役会の有効性についての論点

→D,Eに招集通知を発しなかったことは取締役会の無効原因

〇「重要な」意味の論点

→取引50億以上なので有効な取締役会決議がなされていないのは362条4項1号違反

〇取締役会決議を欠く契約の効力

→原則有効、相手が悪意有過失の場合のみ民法93条但し書き類推適用で無効

→※P社としては、取締役会決議がなされていないこと、Q社が取締役会決議がないことについて悪意有過失であることを主張する必要がある{立証責任があるかまでは考えて書いていないです。}

小問2

1000万円の場合、重要な財産の処分とまではいえないので362条違反にはならない

もっとも、有効な決議がないことは定款違反になるのでは 代表取締役がした契約が定款違反である場合の効力が問題となる。

〇349条5項

→定款違反があること及び取締役会の承認がないことについて悪意重過失である場合は無効∵重過失は悪意と同視できる

→Pは定款違反であることおよびQが取締役会の承認がないことについて悪意重過失であることを立証する必要{厳密には、定款違反を知っていても決議がないことを知らなければ民法110条の適用可能性があるのでこれも指摘しておくべきです}

小問3

小問2で述べた通り、 Qが取締役会の承認がないことについて悪意重過失である場合はPは本件契約の効力を否定できる もっとも代表取締役Aは代金を自己の遊興費に当てるために本件契約を締結しているので、上記場合に限らず効力否定されないか

民法107条要件あてはめ

→Qが代取Aの真の目的を知っているか知ることができたときは、定款違反や有効な取締役会決議がなかったことについて善意無過失でも、Pは本件契約は無権代表であると主張できる

 

第2問

問①

1.原則、本件債務の債務者はPであるから、RはQに本件債務の履行を請求できないのが原則

2.22条による弁済責任 商号を続用したといえる場合は認められる。

3.商号を続用したといえない場合であっても、23条1項の「債務を引き受ける旨の広告をした」といえないか

〇挨拶状は広告にあたらない

→23条1項による弁済請求は出来ない

4.23条の2第1項 詐害事業譲渡

  「残存債権者を害する」といえるか 
本件譲渡によって承継された資産と負債を足し引きすると、2000万円、しかしその対価は1000万円分のQ社株式、取引後の資産は1億で負債が4億2000万なので返済できそうにない(解答の時はもう少し分かりにくい文章だったと思う、資産額などが出てくる問題になれておらず混乱していたが、今見てみるとすんなり分かるので実にあっけない)

  →「残存債権者を害する」といえる

P社Q社はR社と三者面談をしていたので「害することを知って」いた

因って23条の2第1項に基づく請求は可能

問②

22条、23条については問①と同じ

23条の2第1項に基づく請求は問②の事情の下でも可能か

問②では承継された資産と負債を足し引きした額2000万円をPが譲渡する代わりにQが2000万円相当のQ社株式を発行しているから、相当の対価は支払われており「残存債権者を害する」とは言えない

よって23条の2第1項に基づく請求は認められない

感想

第1問

そんなに難易度が高くはないですが、こうやって小問ごとに事例を比較されると個々の論点の違いが明確になり、勉強になりますね。これは京大を受けない人も解くと良い問題だと思います。

第2問

傾向変更ですね。京大では例年第2問では手形が出題されていました。私も手形は京大ローのためにかなり頑張り、試験直前の1週間の勉強のうち3分の1くらいは手形に費やした気がします…。そのため「え?手形でないのかよ…」とショックを受けました。もっとも、今日において手形の実務上の重要性はかなり低いようなので、いつか出題をやめるかもなぁ…とも思っていました。また、第2問の隠れ傾向(?)として、商法総則商行為も頻出であることに気づき、少し細かめに勉強していたんですね。これが功を奏しました。そのため解答におけるダメージは少なかったように思います。

結果的には本問と関係ないと判断したが、法人格否認の法理、詐害的事業譲渡と詐害行為取消などを答案構成段階で検討しました。

 

とうとう京大ローの再現の投稿も終わりました…!あとは神大ですね。そして予備論文合格発表です…。

それにしても最近寒すぎる。あと風強すぎ。皆さん、体調には十分気を遣ってくださいね。

 

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